こんにちは!
営業統括部です
夏も終わりに近づいていますが「残暑」と言う言葉の通り、
暑いじめじめの毎日が続いていますね…
今年も夏の思い出がたくさんできましたでしょうか。
さてそんな中、
話は急に変わりまして、
皆さん。
「船にブレーキが無いのはご存知でしたか?!」
えぇっ!!
そしたらどうやって止まるのさ?!?!
と思いの方もいるのではないでしょうか。
船は自動車と違って、
ブレーキは無く、前進・後進のハンドル操作を使用して
前に進んだり、止まったりしているのです。
その動力となっているのが
「クラッチ」という前進・後進するために必要不可欠な装置なのです。
ということで!!
今回の「〇〇ができるまでシリーズ!」第3弾は
ヤンマーのクラッチを製造している
「コンポーネントメーカー」
神崎高級工機製作所(以下 KANZAKI)にお邪魔しました!!
ここKANZAKIはヤンマー100%出資のグループ会社で
製造されているクラッチのほぼ全てはヤンマーへ提供しております。
所在地は兵庫県尼崎市猪名寺と
エンジンの生産場所であるヤンマー尼崎工場と塚口工場とは目と鼻の先であり
出荷などの立地としても優れています。
ちなみに
マリン用のクラッチは4~3500馬力(PS)を製造しており
部品の組み合わせ次第で1000種類にもおよぶそうです!
まさに「オーダーメイド」!!
それでは早速、
中に潜入したいと思います!!
入るとすぐに大きなWelcome看板がお出迎え!!
- ①【部品・素材の受け入れ】
メーカーより仕入れた素材や部品などを
大きさやシリーズによって配置していきます。
細かい部品などはボックスに収納されますが
収納ラックの高さは150cm以下と決められております。
これは作業者が取りやすい位置であるのと
地震(過去の経験)等の災害時の危険回避という工夫もされているんですね!
- ②【機械加工】
マリンでは陸と比べて過酷な環境で過酷な使い方をされるので
より繊密な加工と高い技術が必要となってきます。
クラッチに必要な部品である歯車は
「焼入れ」という作業を行なっていきます。
この「焼入れ」は部品に熱を加えることで組織が密に生成されて
さらに部品の強度と品質が保証されるのです。
なんとこの塊だけで約35時間をかけて熱処理を含んだ全ての工程を行い、
歯車が完成していくのです!
この作業こそが製品の信頼へと繋がることは言うまでもありません。
③【組立】
ここでは前回の塚口工場と同様に
中小型サイズであれば、セル生産方式を採用しています。
特定の作業者が全工程を全て行なう高い技量を要求する方式です。
KANZAKIでは年間8000台のマリン用クラッチを生産しており、
ここだけで6000台もの数を生産しています。
作業者の作業効率を上げるために
組立台が360度回転できるようになっています。
クレーンで方向を変えること無く作業ができ、時間短縮にもなります。
④【運転&出荷検査】
運転と出荷前検査は組立ラインのそばで行なわれます。
ここでは油圧の力を使って、入り・切りが出来ているかなど
出荷前の最終段階です。
そうして
出来上がったクラッチは
出荷先のタグが付けられ、
あとは出荷を待つのみです。
ん?
あれ?
「塗装」はないの?!
と思いの方もいるのではないでしょうか。
そ、そうなんです!
KANZAKIではマリン用クラッチに関して
塗装工程を全て塚口工場、尼崎工場に委託しています。
そして問題なければ、そのまま梱包されて直接お客様のところへと
届くのであります。
エンジンと直結して初めてクラッチの性能は生かされますので
エンジンが製造されている場所で試運転後、塗装したほうが
塗装ムラも無く、効率的なんですね!
ちなみに…
製造しているのはKANZAKIですが、
YANMARブランドとして商品は販売しています!
(わかりづらくて、すいません…)
- ⑤【出荷@塚口工場、尼崎工場】
そうして出来上がったクラッチは
国内、海外へと出荷されていきます!
【番外編① 積極的な改善活動】
またKANZAKIでは国内のみならず、世界中から
工場へと足を運ぶお客様がいます。
「製造現場で営業ができる工場」というスローガンがあるように
常にハイクオリティの製品を現場で見てもらい、提供できる体制を整えています。
工場を見ただけで購入を決めるお客様もいるようだとか。
それは単に技術者の技術力が高いだけではありません。
現に、KANZAKIでは
ヤンマー株式会社が2013年からヤンマーグループ内で毎年行なっている
「YWKグローバル大会」(自職場改善活動)で毎年受賞(2014年、2015年、2016年の3年連続)されており、
数々のタイトルを手にしています。
職場での改善や業務の効率化を図るこの活動は、全社員の意識を向上させ、
従業員にとっても、工場にとってもwin-winな関係を築けているのではないでしょうか。
その活動の先頭に立っているのがまさしくKANZAKIであると感じました!
【番外編② ヤンマーとしての強み】
【EX30B】
フィッシング機能とクルーザーの居住性を両立させたフィッシングクルーザー
【8LV‐350J】
EX30Bに搭載されたコモンレールエンジン
【KMH61A】
KANZAKIで製造されている8LV‐350に直結されているクラッチ
これら3つが揃うことで初めて
「プレジャーボート」としての
機能を果たします。
またこれら全ては「ヤンマーオリジナル」として
製造から販売まで一貫して行なっています。
オールヤンマーとして販売できるこのことこそが
ヤンマーの強みであり、
他社には譲れないキーワードなのです。
みなさん。
いかがでしたか?
今回はマリン用クラッチを製造している
神崎高級工機製作所をご紹介いたしました。
ご協力いただきました神崎高級工機製作所の皆様
誠にありがとうございました!!
さて次回はどこに取材をお願いするのか
考えながら、今回は失礼致します!
ではでは~!