こんにちは。営業統括部です
皆さんはヤンマーが牡蠣養殖事業の開発に取り組んでいることをご存知でしたか?
なんと「くにさきOYSTER」というブランドで出荷も行っているんです!
それにしてもなぜヤンマーが牡蠣事業?って思う人もいると思います。
今まで獲るために機械をつくってきたヤンマーですが、それだと漁業者や漁獲量が減り、日本の水産業が衰退してしまいます。それを防ぐために「獲る漁業から育てる漁業」への拡大に貢献しようというのが背景です。
そして牡蠣事業開発に取り組んでいるのが、ヤンマーマリンファームです。
ヤンマーの水産養殖関連の研究開発施設です。
大分空港の近くにあり、ヤンマー造船に隣接されています。
このマリンファームの代表的な取り組みを紹介させてください。
まず養殖技術です。その中でもシングルシードが凄いんです。
シングルシード??
ってなる人がほとんどだと思います。
皆さんが牡蠣養殖で思い浮かべるのは・・・
このような垂下法(針金で吊るす方法)で育った牡蠣だと思います。
マリンファームはまったく違います!!
筒の中で1匹1匹悠々と育てます。
これがシングルシードです。
ではなぜそれほどまでシングルシードにこだわるのか?
理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は均整のとれたカップ型の殻になりやすいことです。
垂下法だと、殻の形やサイズをコントロールすることが難しいです。しかしシングルシードは、かごの中で波に揺らされることで先端が適度に削られ、深いカップ型を形成することができます。
またカップ型になることで身の入る空間がしっかり作られ、小さな殻でも身がたくさん詰まった牡蠣に育てられます。
2つ目は付着物の軽減ができるということです。
垂下法だと、殻にフジツボや海藻などが大量に付着し、洗浄作業などでも作業者を困らせていました。しかしシングルシードだと汚れの付着をコントロールすることができ、牡蠣も漁場も綺麗に保つことができます。
次に飼育用の餌と種苗の生産です
これは牡蠣の餌となるキートセロスという珪藻類の一種を培養しています。
牡蠣は、このような植物プランクトンを食べて大きくなるのですが、垂下法だと海で自然に発生するプランクトンを栄養依存するため、特に弱い幼生期には成長にむらができ、栄養を摂取できなくて死んでしまう牡蠣が存在します。
しかしマリンファームでは、この人工培養餌を給餌することで牡蠣の稚貝の大量生産をすることができます。こうすることで給餌の確実性が上がり、死滅する牡蠣が少なくなります。
現在、減少が続く国産アサリ資源の種苗(1mm前後)と、高品質で形の整ったシングルシードタイプのカキ種苗(2mm前後)を自社生産して供給しています。
以上がマリンファームの取り組みです。
まだまだ紹介しきれてない部分があるので、興味を持たれた方はHPで確認してみてください。
・くにさきOYSTER HP
https://www.kunisakioyster.com/ja/
・マリンファームfacebook
https://ja-jp.facebook.com/kunisaki.oyster/
・ビジネスエコシステム
https://businessecosystem.unisys.co.jp/yanmar-kunisaki-oyster/
最後に、大分県国東市は漁獲量の減少や漁業者の高齢化などの課題を抱えていました。
しかし地元の漁師さんと共に、新しい牡蠣養殖産業を立ち上げることで、それが特産品となり、地域振興につながりました。
ヤンマーの技術と浜の活力を用いて、国東のようなモデルがもっと日本中に広がっていき、育てる漁業がメジャーになっていけば良いですね